その予感はもちろん的中して。


ママの姿が見えたとたん、彼が車のドアを開けた。


「おかえり」

そう言って、優しく微笑む。


「あれー?どうしたの、こんな時間に」


あたしたちの存在に気付き、目を丸くするママに彼は言う。


「仕事終わって家帰ったらさ、美未ちゃんがちょうど買い物行く所だったから。
外寒いし、車出したんだ」


そして、車内から袋に入った食材を出して見せると、「ね?」と同意を求めるようにあたしを見る。


「……うん」


あたしはそれに、ただ頷くしかなかった。


間違っては、いないから。