8歳上のパパ【長期更新停止中】



「あのっ……」
「あのさ、」


たまたま止まった赤信号で、勇気を出して話し掛けると、ほぼ同時に彼も口を開く。


「な……何ですか?

……じゃないや。何?」


さっき敬語を使わないと言ったばかりなのに、ついつい癖で使ってしまう。


また、注意されちゃうかな?


恐る恐る彼を見る。


だけど……彼はあたしの方は見ていなくて。


ただ赤く光る信号機を見つめていた。


ハンドルを、指でトントンと叩きながら。