高速に動く鼓動に気付かない振りをしながら、あたしは言う。 「大丈夫、一人で行けます。 そんなに遠くないし、もう子どもじゃないから」 ――……そう。 子どもじゃない。 子ども扱い、してほしくない……。 ――‘否定しといたよ。愛<娘>弁当だって’ あの時の彼の言葉が蘇ってくるような気がした。 彼が心配してくれるのは、あたしが<娘>だから。 今まで、何度も言い聞かせてきたことなのに、改めてそう思うと、胸がズキッと痛む。