「………………かな」
「え?」
たら、ればを考えていたせいで、一志の言葉が上手く聞き取れなかった。
きっと店内もざわついているからだろう。
首を傾げ、もう一度聞こうと、耳を傾ける。
思い返せば、それが波乱の幕開けだったのかもしれない――……。
「オレ、大学入ったらこっちで一人暮らしするんだ」
「……そうなんだ」
「おー……だからさ……」
「ん?」
「オレたち、
やり直せない、かな……?」
「え……――?」
……その時、ほんの一瞬だけ
本気で時計の針が、止まったかと思った。
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