「……ひ、久しぶり」


詰まりながらも、ようやく出てきた言葉は、たったこれだけで。


どういう表情をしていいのかわからない。


そもそも、こんな突然の再会で、複雑な気持ちを隠せるほど大人じゃない。


早く……早くこの場を切り抜けないと。


そう思うのに、レジはなかなか進まない。


みんな、大量に買いすぎだと思う。


元彼と、よりにもよってバレンタインのチョコ売場で再会したあたしの身にもなって欲しい……。


そんな複雑な思いを抱きながら、ずっと先のレジカウンターに視線を向けた時だった。