「ここ、給与前借りできますか?」

薄い緑茶をゴクリと飲み込んで、事務員さんの返事を待った。


「……前にバイトの男の子が、母親が病気だからって、勤めて一週間目で給与前借りをしたことがあったのよ」


事務員さんは、冷蔵庫の中のシュークリームの箱をガン見して、
消費期限を見つけると、慌ててゴミ箱に捨てていた。




「…………それで?」


「社長は人情厚い人だから、ちゃんと1ヶ月分前倒しして支払ったのに、
その子、次の日から出勤してこなかったの」



……何て事してくれたんだ、そのアルバイトA。




「そ、そうですか」


私なんて、もっと信用ないだろうし。




「ご馳走さまでした」



湯飲みを流しに持っていき、ハァ……と溜め息混じり 事務所をでる。




そして、再度、修理代見積書コピーに目を通した。



「五万円……」


まず、これが優先だよ。





″ マジ 援交したらどうですか? ″




「……一回で済むのかな?」


てか、どうやってその相手見つけるんだろ?



私は、スマホで、【出会い系】を検索してみることに。