「あ、先輩の誕生日が今月だって聞いて、ファン代表として、何か欲しいものないかな?って探りに来ました!」



いつ見ても、うっとりドキドキさせてくれる。



「探り? 探るならまず遠方からでしょ?」



一年前に見た、県大会でサッカーをするあなたの姿が、私のイケメンセンサーに引っ掛かってしまったの。



「島沢先輩の周囲のひと、どんな人が居るのか分からなくて」




″ あなたしか見ていない ″

を、さりげなくアピール。



そうこうしてい るうちに、他の生徒達も、別校舎から、ドヤドヤと技術室へ移動してきた。



「そうなんだ、俺の友達とか、相川さんのファンいるんだけどね」


「え、そうなんですか?」



一瞬、口元が緩みそうなのを、キュッと我慢し、
「島沢先輩の欲しいもの、ヒント下さい」



やっぱり

″ あなたしか見ていない ″ を再アピール。






「あ、始業ベル鳴った」


島沢先輩は、


「ヒントは、デートに欠かせないものだよ!」



気さくな愛くるしい笑顔を振り撒いて、
手まで振ってくれ、教室に入っていった。




し、




島沢先輩、サイコー!