購買部横の自販機のところに、
やっぱり島沢先輩達がタムロっていた。


「相川さんに、何となく初メールしちゃったよ」


少し照れながら手招きする島沢先輩を見たら、甘えたくなってしまう。



「はい、だから、速攻で来ちゃいました」



ヒュー!
とからかう男子達のなかに、
羽田と、


『げ』


空野握手まで紛れ込んでいた。

何で、この人までいるのよ!




羽田は、私と一緒に来た真実に馴れ馴れしく話しかけていたし、島沢先輩は普通だし、


『……羽田、アルバイトの話、島沢さんにしてないのかな?』




全て気にしすぎだったのかな?




「じゃ、また、後日」



だけど、空野握手だけは、

私に悪態をついているつもりなのか、
一度もこちらを見ない。



″ 軽蔑 ″ してしまうと、徹底的にシカトするタイプなのかな。



「おい!アッシュ!」



羽田に何か渡していた空野握手が、立ち去ろうとすると、


「ほら、カフェオレ!飲めよ!」



また、島沢先輩が、自販機から買って、ポイッとそれを握手に投げ渡していた。


「あざぁす」


キャッチして、無表情で会釈して校舎へ戻っていく。


『アイツってば、好きな人から奢って貰ったんだから、 もっと嬉しそうな顔をしたらいいのに』




だけど、心なしか空野握手の背中と足取りが真っ直ぐと軽くなっているように見えたのは、


きっと、気のせいじゃないよね。