そして、私が小学校の時にいじめられていたことを知っているのは、春ちゃん以外にお兄さんだけ。お兄さんがいなかったら私は学校に行かず引きこもっていたかもしれない。お兄さんは私の心の支えだった。

 そんなお兄さんに今日は勉強を教えてもらえる日。

 毎週この日は楽しみで仕方ない。今月は既に、二回目。一回目は先週の今日だ。先週は勉強メインというよりも、延々と戸津についての相談を乗ってもらっていた。幾分か心もその時軽くなった気がした。やっぱりお兄さんは凄い人だ。

 手帳から顔を上げると、時計に目をやる。


「あ、やば。学校行かないと」


 もう少しで六時半になってしまう。私は荷物を持つと、学校へ向かった。