月曜日の朝が来た。憂鬱だった。また今日から隣に戸津がいると思うと気持ちが重くなる。

 同時に凄く眠い。時計は五時半を指している。私の高校は電車を乗り継ぎ一時間半の場所にある。朝のホームルームは八時半から始まるので七時に出ればいいのだが、私の生活は高校から一変した。

 そう、七時頃に出ると、戸津と出くわす確率が上がるのだ。学校の往復まで一緒とか、それだけは避けたかった。だから私はわざわざ五時半に起きて、六時半前には家を出ていた。

 戸津さえ来なければ、私だってこんな眠い思いをしなくて済んだのに。それに春ちゃんと登校することもできなくなってしまった。単純に悲しい。


 だが、あれから戸津は私に話しかけてこなくなった。それは唯一の救いでもあった。

 洗面所へ向かい、鏡を前にする。

 顔や腕がぱんぱんに膨れ上がった姿が目に入る。私は、自分の姿が大嫌いだった。頬と瞼についた肉が、目を小さく見せている。この紺色の可愛い制服だって既存のサイズが入らず注文しないといけない。

 わかっている。戸津が全部悪いわけじゃない。こんな見た目をしている自分が悪い事もわかっているんだ。

 一五七センチ九三キロ。小学生の時から順調に増えていく体重と反比例して、私は自分の事が嫌いになっている。

 嫌いになっていく自分が嫌でダイエットだって何度かやってみた。でもその度に挫折して、私は結局何も変わらなかった。