蒼の王様、紅の盗賊








キラキラしていると思っていた。
国の隅々まで活気に溢れ民達にら笑顔と幸せが溢れかえっていると思っていた。
争いなどなく犯罪などもなく、平和が溢れ絶対的な秩序に保たれていて澄みきっていると思っていた。

......。
目の前に広がる現実が刃となってそんな想像をビリビリに引き裂いた。




鼠や虫の這い回るような薄暗く細い路地。
その道の脇には虚ろな目をしてダラリと地面に崩れ込む者。
イカれたような目をして口からは泡のような者を噴き何やら奇声を上げる者。

今まで生きてきた世界ではまるで関わりもない、ましてや存在すら知らなかった者達。


理想とはまるで違う。
あまりに信じ難い光景に言葉を失い立ち尽くす。









「何をしておられるのです?
さぁ、こちらへ」


「あ...あぁ」



レストに促されてようやく我へと返り止まってしまっていた足を進める。


正直心臓が張り裂けそうだった。
足も竦んでいた。
あまりにも不釣り合いは場所にシュリはフードの下からキョロキョロと挙動不審に様子を伺いながら進む。






「あまり辺りを見られぬ様になさいませ。
そのような目でこの街を歩けば一瞬で格好の獲物にされます故」


「そのような目とはどんな目だ」


......。



「そうですね......例えるならば処刑を前に命の終わりを待つ怯え切った罪人の目、といった所でしょうか」


「......何、だと?」


「これは失礼を致しました。
シュリ様を貴方がこの世の中で一番忌み嫌われる罪人に例えるなど浅はかな言葉を」




ッ。




「次は此処の角を左に参ります。
私から遅れを取りませぬようお気を付けてお進み下さい」