蒼の王様、紅の盗賊









レストはこの城を守らねばならぬ存在。

本来ならばこのような侵入者を易々城に入れるなど許されないはず。
侵入者とあらば空かさず警笛で城中にそれを知らせ命を懸けても侵入者を捕らえる。
......それがこの男の役目であるはずだ。


それなのに、この男は笑っていた。









「まだ甘い。
本当の獣は相手の命を食らうその時まで相手に気配を悟らせないものだからな」



「あら、説教?
団長も知ってるでしょう?あたし、そういうの大嫌いなのよ」



「あはは、厳しいなぁ。
さすがは僕等が団長だねっ♪」





捕らえるどころか招き入れているこの状況。

侵入者は本来彼等の敵であるはずのレストを前に親しげに話し笑う。
少し上から目線のツンッとした女の声。
無邪気に楽しそうに笑う男の子の声。


.........。
この状況も十分に異常であるが、それよりも気になるのは呼び名である。











「此処でその呼び方はするな。
私はこの国の参謀、国王シュリ様の忠実なる臣下。僕。

私のこの身は国家の物。親愛なる民の物。
私は見も心もこの国に捧げた身。誰の物でも無いのだ」



国を誇りに思う臣下の鑑のような言葉。








..........。






「あっはっはっは!
何よ、それ気持ち悪い!うふふ」



それを笑い飛ばす女の声。

何が可笑しいのか。
女はレストの気高き臣下としての言葉に腹を抱えて大笑いする。






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