蒼の王様、紅の盗賊

~3~








「.............奴等が動き出したようです」



夜の闇。
人に知られぬ空間でシュリが決意を胸に美しい銀色を散らしたその頃。

同じ国。同じ城。
その中のまた別の空間で、一人の男がある男の元へとやって来ていた。








「やはり動き出したか。
フンッ、思ったより早かったな」



「........。
貴方の予想は正しかった。
奴等は―――紅の盗賊達は再びこの国に足を踏み入れたようです」



「それで、例の手筈は整ったか?」



「滞りなく」




夜の闇に溶ける二人の男の会話。



灰色の髪に少し曇った翡翠色の瞳が一つだけ光る。
薄手のシャツを釦を二三個外して一枚羽織り、黒くシュッとしたシルエットのズボン。
いつもの堅苦しいものではなく随分ラフな格好で自室の壁に凭れ掛かる男。

もう一方、その男の前で膝を突く夜の闇をそのまま纏ったように真っ黒な若い男。
漆黒の髪と切れ長の銀色の瞳、無感情な表情で男を見上げる。








.........。





「リズ。ロゼ。
お前達も来ているのだろう?フフッ、姿を見せろ」



壁に凭れ掛かるレスト。
膝をつくのはユエと呼ばれた男。

そして数秒の間を置いて二人だけであるはずの空間に二人の違う者の名が響く。


フッと笑う。
体勢は変えずに視線だけを部屋にある窓のその向こうへと送る。
その窓はほんの少しだけ開いていた。











「あら、気付いてたの?」



聞こえたのは笑いを含んだ女の声。



「あれれ、気配は完全に消していたはずなんだけどな。
凄いや、さすがは団長だね」



そして続くは幼さ残る子供の声。






ッ。

そして現れる二つの影。
風のように音もなく僅かに開いていた窓から舞い込む侵入者。

その侵入者の影にレストはフッとまた笑いを溢す。







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