「っ。
そ、それならば良いのです!
失礼致しましたっ。それでは私はレスト様にシュリ様の御意志を伝えて参ります!」
「........あぁ、よろしく頼む」
「はっ!
それでは失礼致しますっ!」
従者が部屋を後にする。
昨日までとは明らかに違うシュリの姿。
悪い方向ではない。
むしろ待ち望んでいたような王の姿。
今までの彼が王としての素質に欠けていたとは言わない。
だが、過去の凄惨なあの記憶から目を背けていた彼は何処かいつも逃げているように見えた。
だが今のシュリは真っ直ぐ前を見ている。
昨日まで彼に見えた逃げが今日の彼には見えなかった。
「.......。俺も行こう。
色々とやらなければいけないことがある」
自分以外誰も居なくなった部屋の中で呟いた。
やらなければいけないこと。
それは昨日の夜、一人決意を固めたことを行動に移すためのその準備。
ッ。
小さく息を吐き、それからシュリは歩き出した。
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