何なのだ、この変わり様は。
従者は扉を開けたその時の衝撃もすっかり忘れてシュリの変わり様に言葉を失っていた。
「........」
「聞こえているのか?
何を呆然としている、分かったのなら早く動け」
「は、は、はいっ!」
そんな従者の戸惑いを知ってか知らずかシュリは構わずに話を進める。
強く言うシュリの声に従者はハッと我に返りビクッと身体を震わせる。
背筋をピンッと伸ばしシュリに敬礼をする。
そして踵を翻しシュリに言われたようにすべくその場を後にしようと些かぎこちなく扉に向かう。
ッ。
扉の前。
あと一歩で部屋を出るかというその時、従者はどうしてもと堪り兼ねたように足を止める。
「.........何だ?」
その様子にシュリもさすがに無視は出来ずに声を掛けてやる。
気付いていない訳ではなかった。
従者が自分を見た時から戸惑っているのも、自分の言動でより一層戸惑いを深めているのも。
気付いてはいたが、話の邪魔になるので敢えて触れずに居た。
だが従者の明からさまな様子にこのまま戸惑わせたまま帰すのも悪いと思った。
ッ。
声を掛けられまた一度身体をビクッさせて、従者はぎこちなく恐る恐ると言った感じでシュリを振り返る。
「.............シュリ様.......何かあったのですか?」
自分が今目の当たりにした全てを引っくるめて出た言葉だった。
何があったのか?
随分とざっくりした言葉だが、従者にはこの言葉以外の言葉が思い浮かばなかった。
一番妥当な言葉だった。
「.........あぁ、これのことか。
気にしなくてもいい、ただの気分の問題だ」
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