蒼の王様、紅の盗賊

 
 
 
 
 
 
 
人を傷つけようとか、困らせようとかそんな思いは微塵もない。


そこらにのさばる己の欲のための盗みなんかではない。
私の目的は、この捻曲がった世界の現状を正すこと。悪を、悪という名の正義によって制すこと。




もうこの国は世界は、上っ面の正義なんかじゃどうにも出来ない程に腐っている。


正しく生きようとする者たちが損をし、己の欲に埋もれて他人を虐げる者が得をする世界。
おかしくはないか?

何故....どうして正しく平和に生きようとする人たちが、損をして生きていかなければならない?
どうして、世界の隅に追いやらなければならない?



そして、どうしてそんな世界の現状を人は見て見ぬ振りするのか?
どうして手を差し伸べないのか?正そうとしないのか?





やはり、おかしい。
それとも今の現状をおかしいと思うこの私が、おかしいのだろうか?







考えれば考える程沸々と込み上げる疑問に、だんだん私の思考が麻痺してくる。

自分が今まで正しいと思って突き進んできた道が、本当に正しかったのかと疑ってしまう。





でも私はそれでも、どうしてもこの世界を変えたかった。

皆が正義と呼ぶものが悪を制すことが出来ないというのなら、皆が悪と呼ぶものを正義の盾として本当の悪を制す。制さなければ。
私の中の忌まわしき記憶が、私をそう駆り立たせた。