蒼の王様。
この国を治める少年王―――シュリがこの民衆のど真ん中へ立っていた。
「シュリ様、どうぞこちらへ」
「あぁ」
従者に手を引かれ、兵たちによって築き上げられた広場の真ん中にある建造物に前にやってきて、それを見上げた。
「やっぱり....シュリ様だ!」
巨大な建造物―――つまり処刑台を見上げるその姿に、確信を持った民衆の一人が叫ぶように言う。
その叫びをきっかけに、今まで沈黙していた民衆が騒めき始める。
「シュリ様が.....我々の前にお姿を!」
「あ....あの方が、シュリ様なのか!?」
口々に言う声が人込みの中を行き交う。
普段ここ数年ほとんど城の外へと姿を現さなかった王が、今人々の目の前に現れたのだ。
人々が驚くのも無理はない。
「......」
あちらこちらで囁き合われる民の言葉に、シュリはチラリと冷たい蒼い瞳で一瞥した。
その瞳の蒼の中にあるのは民に対しての王の威厳か、はたまた数年ぶりに外へと足を踏み出したことに対する恐れか。
何やら、いつもとは違う蒼の色合いがあった。
「シュリ様」
従者らしき男が騒めき合う民衆を尻目に、処刑台の前に組まれた民衆より数段上がった場所に一つ置かれた椅子へと、シュリを誘導するように招く。

