蒼の王様、紅の盗賊

 
 
 
 
 
 
 
 
ガタッ....ガタンッ。


大きく開かれた城門から、二台の馬車が出てくるのが見えた。

一つは細やかな装飾が施された美しく、豪華な馬車。
そしてもう一つは、そんな馬車とは対照的な鉄の板が張り巡らされた頑強な何の装飾もない馬車。



誰かが上げたその声と、現れた二台の馬車に人々は再び騒めき出す。






―――ガタンッ....ガタンッ。

そんな再びの騒めきの中、ゆっくりと人集りの出来た広場へと無言で向かっていく馬車たち。
舗装された一本道を、馬車を引く馬たちが蹄を響かせながら一定のリズムで歩いていく。






―――ガタンッ。


馬車はそのまま人集りの間を抜けて、とうとう広間の真ん中に出来た空間までやってきて、動きを止めた。

ガタンッと音を立て止まったその二台の馬車へと、人々の視線は集中する。



だが、馬車は止まったまま何の動きも見せない。
黙ったまま停車したその中からは、異常な威圧感のようなものが醸し出されていて、騒めきその馬車へと視線を送る人々の声がまただんだん小さくなっていくのが分かった。







――――ッ。


人々が完全に静まり返った。
それと同時に、この空間が一気に緊張感に包まれた。





......ギイィッ。


暫らく、空間を沈黙と緊張感が支配した。

その沈黙を、ゆっくりと開かれた馬車の扉の見掛けよりも幾分か重々しい音が破る。