集る人々が口々に囁き合う。
そんな中、何処かからそんな言葉が聞こえた。
確かに、ここ最近は前にも増して処刑される罪人が増えてきている気がする。
全てが全て公開される処刑ではないが、それでも処刑された者の名は翌日に国中に伝令が下るので分かる。
まぁ、処刑されるのは全て罪人であって、その罪人が国から―――世界から居なくなるのだから別に国民にとっては悪いことではない。
むしろ、自分たちの住む国が平和になるのだから喜ぶべきことなのかもしれないが、人が殺されるという事実に抵抗を覚える者も少なからずは居るようである。
だがそれは、普段口に出ることなくただ漠然と思うだけで、実際のところは民は皆黙認しているのが現実だった。
「......あぁ、そういえばな」
集まる人の数が、だんだんと多くなっていき騒めきが増す。
その人込みの中央には、木を組み立て作り上げられた処刑台がある。
まだそこでは兵士たちが数人、今から始まる処刑の舞台を完成させるべく忙しなく動いている。
その光景を人込みの中から見上げ、一人がハッとしたような声を上げた。
「今日、処刑されるのって.....あの紅の盗賊らしいぜ?」
「え....あの紅の盗賊か?」
「あぁ、ここ暫らく国の中を騒がせてたアイツさ。
昨日、街の大通りで捕まったらしいからな」

