蒼の王様、紅の盗賊

〜2〜






ザワザワ....ザワッ。


アスラが衛兵に連れられ、シュリと城で別れたちょうどその頃。




いつも平穏な時が流れる街の中は、何処かいつもとは違う雰囲気に包まれていた。

集り騒めく人々。
その視線の先は、皆同じ。あるものが、ドンッと街の中に腰を据えていた。







「.....また処刑か」



人が密集するその中で、誰かがぼそりと呟く。

それは呆れたような、また諦めたようなそんな声で、呟かれたその言葉は集まる人々の騒めく声でまるで何もなかったように掻き消された。





公開処刑。

それは悪を歩む者達への見せしめに、罪人を民衆の前で殺すこと。
人権などはない。罪人はその罪の重さに関わらず、この公開処刑という公式な人殺しの場で命を断たれるのである。


これはもうこの国では習慣のようになっており、多い時にはひと月に十人。
一人も居ないということもあったが、それはほんの稀なことで異常な程のペースでこの国では処刑が行われていた。








「......なぁ、でも最近多くねぇか?」


「あぁ、確かにな。
そんなにこの国って、治安が悪いのか?」



「いや....俺には平和に見えるがな。一般人の俺等には分からねぇさ。
まぁ、殺されるのは罪人だからよぉ。自業自得なんだがな」