蒼の王様、紅の盗賊

 
 
 
 
 
 
 
「御意。
さぁ、立て!さっさと歩くんだ、さぁ!」



シュリの声に、バッと扉が開いて衛兵が入ってくる。

そしてまるで待ち構えていたように、シュリの言葉に敬礼をして地べたに座るアスラへとツカツカと近寄る。
アスラの目の前まで来た衛兵は彼女の身体を未だ拘束し続ける縄の端を掴んで、それをまた思いっきり引っ張った。






「では失礼致します!」


縄は容赦なく引っ張られ、アスラの身体を締め上げる。

アスラは痛みにまた顔を歪めるが、そんなことを衛兵は気に掛けるはずもない。
衛兵はアスラを引っ張ったまま扉の外へと出て行き、シュリの方を振り返り深々と一礼した。






――――ガチャンッ。




「さぁ、来い!」



重々しく扉が湿らせて、対照的な蒼と紅は再び扉で遮られ二つの空間に別れた。



蒼は王として、紅は処刑される罪人として。
二人は同じ場所に、それぞれ違う想いを胸に秘めたまま向かっていくのだった。