「あんたは.....己の過去から逃げてるだけじゃないのか?逃れたい過去から。
あんたがこの国や世界の正義だと言ってやっていることは、あんた自身がこれ以上傷付くのを恐れて.....自分のやってることをあんた自身の中で正当化して、過去を消そうとしているだけだ。
国のため、世界のため?
.....笑っちゃうね。あんたは所詮は自分のことしか考えていないんだ」
――――ガッ。
アスラの言葉が言い終わるか終わらないか。その時何かが物凄い勢いで、アスラとシュリの間にあった空間を裂いた。
「.......何が分かる.....何も知らないお前のような薄汚い盗賊などに、俺の何がッ!
何の哀しみも知らずに、ただのうのうと生きてきたお前が!我が物顔で人の全てを奪ってきた悪人が!
どんな面を下げて、俺にそんなことが言えるッ!?」
空間を裂いた何か。
それは、シュリだった。
シュリは怒りに狂ったような形相で、アスラの胸ぐらを掴んでいた。
「俺はこの国の王だ。
この国を守ることこそ、俺の使命.....この国から悪を排除することこそ、俺の使命ッ!
勘違いをするな!俺は過去になど、囚われてなんか――――」
「......過去になんか囚われていない。
あんたはそう、自信を持って言えるのか?」

