蒼の王様、紅の盗賊

 
 
 
 
 
 
 
吐き捨てるようにそう言って、衛兵が扉の外へと出ていく。





――――ガチャンッ。

大きな音を立て、閉ざされた扉。


密室となった部屋の中、アスラとシュリの二人きり。

盗賊と王様。紅と蒼、対照的な二つが交わる。






「昨日は、よく眠れたか?紅の盗賊さん」



静かになった部屋の中で、シュリは座っていた玉座からゆっくりと立ち上がるとアスラに歩み寄りながら口を開く。
ツカツカと、靴音がアスラへと近付いてくる。






「.......あいにく、私が寝るにはあの床は固すぎた。
それに、私は枕が変わると眠れない質なんでね」



一方のアスラは、倒れた身体を拘束された不自由さを大いに感じながらも何とか起こして
自分の元に歩み寄ってくるシュリの姿を床へと座り込んだ状態で見上げて、皮肉を含んだ言葉を向ける。









「フッ。それは気の毒だったな。
だが安心しろ。あと少ししたら、思う存分寝られる。嫌でもな。

俺からのせめてもの配慮だ」




「.......そりゃ、どうも」




アスラとシュリ。

対立し合う紅と蒼の間に、見えない火花が散る。
互いに互いを嘲るような笑みを浮かべて、口調は穏やかだがその裏に底知れぬ闇を抱え込んだ言葉を投げ掛け合う。