蒼の王様、紅の盗賊

 
 
 
 
 
 
 
「入れッ!」



衛兵がそう言いアスラを突き飛ばすように押し、その衝撃でアスラは無様に倒れこむ。





「ッ!」


身体に痛みが走ったが、アスラはその痛みを歯を食い縛って堪えた。










「ご苦労だった。
......お前はもう行っていい」



部屋の中。
居るのは床へと倒れこんだアスラと衛兵。そして玉座に座るこの城の主、シュリ。

盗賊、衛兵、王様。
奇妙な組み合わせが一同に会すこの空間で、シュリはアスラと衛兵を交互に見てそう口を開いた。






「ッ!ですが.....」


「命令だ、下がれ」



シュリの口から零れた予想もつかなかった言葉に、衛兵は戸惑い反論の言葉を言い掛ける。

だが、その言葉はシュリの歳に不釣り合いな程の威圧感が籠もる一言で消え失せて、黙り伏せさせてしまった。






「.....御意。
では私は扉の外におります。何かありましたら、すぐお呼びを」



衛兵はまだ何か言いたそうだったが、シュリの言葉を前に喉にまで出かけていた言葉をグッ飲み込み、シュリに深々と一礼した。

そしてゆっくりと顔を上げ、踵を翻してシュリに背を向けると床へ倒れこむアスラを、また汚らわしいものを見るような視線で見下した。






「万が一、シュリ様に何かしてみろ。
その時には俺が、お前が処刑台に上がるその前にあの世へ送ってやる。汚らわしい罪人め」