蒼の王様、紅の盗賊

 
 
 
 
 
 
 
カツンッカツンッ―――。




「―――シュリ様。罪人の女を連れて参りました」



「入れ」




大きな扉の前にアスラは連れてこられた。

重く閉ざされた扉。
その扉を前に、衛兵は先程とは声色を変えて幾らか緊張した面持ちで扉の向こうへと声を掛けた。


すると中から、男の―――この城の主であるシュリの短い返事が扉越しに返る。





ギイイィィッ....。

そして重々しい音を上げ、ゆっくりと開かれる扉。
扉が開け放たれ、中の様子が明かとなる。



あまり装飾のないシンプルな部屋。色は白で統一されていて清廉された印象を受ける。

家具などは、殆んど置かれておらず実用的な部屋というよりも公の場のための表向きだけの部屋のようである。


ただこの部屋で一つ目立つものといえば、部屋の一番奥に置かれた大きな椅子。
王の座る椅子、つまり玉座であるその椅子はこのシンプルな部屋に不釣り合いな金色の縁に細かい装飾が施されていて、背もたれには赤い深紅の布地で豪華さを際立てている。






その唯一この部屋で目立っている玉座の上に一人、綺麗な銀髪を後ろで軽く束ねて、王を思わせる威厳ある服に身を包んだ男―――少年が
開いた扉の先に居るアスラを、冷たい蒼い瞳で見下ろしていた。