蒼の王様、紅の盗賊

 
 
 
 
 
 
 
「何をッ!?
罪人如きが、何をほざく?

お前のような悪人に、人並みの扱いなど必要ない。どうせ直に死ぬ身だ」




挑発的なアスラに、衛兵は眉を吊り上げる。

そしてより一層蔑むような視線をアスラへと注いで悪態をつくと、そのまま彼女の腹を蹴り上げた。
それはまるで、ゴミか何かを蹴るように蹴り上げた。






「.....ヴ...ァッ」 



腹を蹴られ、その衝撃で仰け反り床を転がる。

蹴られたところは血こそ出ていないが、燃えるように熱い熱を帯びる。
ジンジンとした痛みが、身体に広がった。







「盗賊などという下賎が、人と同等であるはずがないだろう?
さぁ、立て!シュリ様がお呼びだ」



「――――ッ」




再び乱暴に縄を引かれ、アスラは無理矢理立たされる。
そして蹴りだされるようにして歩かされ、あれだけ忌まわしかった鉄の格子の向こう側へ。





「さっさと歩け」


「―――クッ」



蹴り上げられた腹は、またジリジリと痛んだ。
だが、衛兵はお構い無しにアスラを後ろからどつき王の元へと連行する。



暗く閉ざされた地下から、階段の上へ。光溢れる地上へ。

地上は明るい。
でも、アスラにとっては死へと続く地下より暗く冷たい。