蒼の王様、紅の盗賊

 
 
 
 
 
 
 
――――ガンッ。

唐突に鉄格子を叩くような音が、狭い地下牢の中に響き渡った。





「時間だ、出ろ」


そして続く衛兵の声。





――――ガチャンッ。

衛兵は、一つに括られた沢山ある鍵の中から一本の鍵を取出して、鉄格子に一ヶ所だけ空く小さな鍵穴へと差し込んだ。
鍵を回し鈍い金属音がして、アスラと衛兵の間にあった鉄の隔たりがなくなる。





「さぁ、立て。罪人」



衛兵が牢の中へと入ってきて、アスラの前までやってくる。

そして何か汚らしいものを見るような見下した視線を送り、短くそう言う。





「.......」



「いいから、早く立て!」


見下した衛兵の視線に不快感を覚えて、アスラがギッと睨み付け黙って居ると
そのアスラの態度に苛々したのか、衛兵はアスラを拘束している縄の端を手で思い切り引いた。






「――――ッ」


縄を引かれ、その縄に繋がれているアスラの身体は必然的に前のめりになり、地下牢の冷たい床へと叩きつけられる。






「―――この国の衛兵は、女に対する扱いも知らないのか?
指導者の教育を疑うな」



床へと倒れこんだアスラは、より一層きつい視線を縄を手にする衛兵へと送り、嘲るように笑った。

先程、弱気になった呟きとは違って、その口調はいつもの強気で尚且つ挑発的なものへと戻っていた。