「......用事を思い出した。
私は少し城に戻る。開門してくれ」
顔を見合せ、黙る二人の衛兵を一瞥して
いつもとは違う様子の隊長は、そのまま前を向き直すと城門に向かって再び歩き出した。
「あ....はい。今開けます!」
────ギイィ....ガタンッ。
軋むような音がして、重く大きな門を二人掛かりで言われるがままに開ける。
「か....開門、完了です」
「ごくろう。
....では、後は任せたぞ」
門が完全に開け放たれて、城内へと続く道が目の前に現れた。
城から漏れる灯りで、もうすっかり暗くなった辺りが、ほんのり明るくなった。
────ッ....ザッ。
そんな中を、隊長は甲冑の擦れる微かな金属音を纏いながら
そのまま城の中へと消えていく。
「.....何か、今の隊長おかしくなかったか?」
城の中へと消えていく隊長の姿を遠目に、衛兵たちは
今まで喉の奥の辺りで詰まっていた言葉を、吐き出すように呟いた。
「......あぁ、確実におかしかったな」
「一体....あの隊長に何があったんだ?」
二人は、もう見えないくらい城の奥へと消えた隊長の姿に届かない視線を送って
顔を見合わせた。
「......」

