「隊長、見回り異常なかったんですか?
何か、いつもより遅かったじゃないですか」
衛兵は安心したように息をつくと、ハハハと枯れた笑いを溢す。
だが、対する隊長からは何故か返事はなく
ただ無言で歩いてくる。
「.......た...隊長?どうかしたんですか?」
いつもなら、『サボるんじゃない!』と罵声を飛ばすか
そうでなければ、『今日も我が国は平和である!これも全て我らが王、シュリ様のおかげだ!』と、やたらと大きな声で
感激の言葉を叫ぶか、そのどちらかのはず。
なのに.....それなのに無言?
あの隊長が?
────いや、ありえない。
衛兵たちは、そんないつもと違う隊長に隊長は不気味さを覚えて
恐る恐る、そう声を掛けた。
「────異常はない」
隊長は近付き....近付き、そしてそのまま無言で衛兵たちの前を通り抜けようとするように見えたが
通り過ぎるその前に、スッと立ち止まった。
「そ....そうですか」
あまりの異様さに、衛兵たちは顔を見合わせる。
いつもとのあまりのギャップに、何があったのか物凄く気になったが
何か、何も寄せ付けないオーラをじわじわと放っていたので敢えてそれ以上言葉を掛けなかった。

