蒼の王様、紅の盗賊

 
 
 
 
 
そんな本音が、もうすっかり陽の落ちた暗い夜の闇に響いて消えていく。


丁度そのときに、城門から続く一本道のその先から
近付いてくる人の気配がして、二人はハッと気配のする方に目を見張った。






「......隊長?」



近付く気配に、衛兵は恐る恐る声を掛ける。

返事はない。
だが、気配は確実に近付いてくる。






「.....もしかしたら、敵じゃねぇか?」



反応の見えない、近付いてくる気配にもう一人の衛兵は何か違和感を感じ

壁に立て掛けてある槍を、無造作に手に取った。






「....まさかな」



そう言われたもう一人も、そんなはずないと言った顔を浮かべつつも

万が一のことがあるかと、槍を手に取った。




そして二人、近付く気配とその先に潜む暗闇に
ゴクッと息を飲む。






────ザッ....ザッ。


足音がだんだん近くなって、闇と同化していた影との境目が次第に表わになっていく。

人物の輪郭が、闇の中に浮かび上がる。







「......な...なんだぁ、隊長じゃないですか!」



明らかになる見慣れた人の姿に、衛兵たちはホッと体に入った力を抜く。

自分たちと同じような隊服、深く被られたうっすら錆び掛けた鉄仮面で顔は見えないけれど
敵でないことは確実だと、衛兵たちは思った。