蒼の王様、紅の盗賊

 
 
 
 
 
 
衛兵たちの後ろにそびえ立つ城に、交差する溜め息。


そんな溜め息の中
彼らの頭の中に、ふと思い出すことがあった。 






「.....あ、そういや隊長どこまで行ったんだろうな」



そう。

溜め息の中、思い出したのは
ついさっき、パトロールに行ってくると言って出ていった我ら門番衛兵隊の隊長のことだった。





「あ、そういえばまだ戻ってきてねぇな。

あの熱血のおっさん」




「.....おい、おっさんはねぇだろ?
仮にも俺たちの隊長なんだから」




「だけどよぉ....熱血ってぇのは合ってるだろ?

....俺、あの隊長の熱血さが、どうも苦手なんだ」




彼等が言う隊長。

それは、仕事第一の熱い....暑苦しい隊長。



あの隊長のおかげで、真冬の早朝に「鍛練だーッ!」と隊員全員で乾布摩擦をやらされたり

「栄養のある食事を摂れ!」と、隊長特製の劇薬並みの弁当を食べさせられたりと
嫌な思い出しかない隊長の姿を思い出して、衛兵たちは顔を歪める。






「────帰ってこない方が....いいかもな」



そして、そんな素直な心の声が思わず口に出た。


まぁ、今までの隊長の仕打ち....いや、愛情を考えると
そう口に出したくなるのも、無理はないような気もするが。