まぁ、馬の背に括り付けられていた時点で落とし物ではないのだが。
馬ごと含めて落とし物といったことだろうか。
「.....それにしても、何だ
この膨大な菓子は」
ジルは、そんなことを思いつつ弾けんばかりに詰め込まれているお菓子に
飽きれるような視線を注いだ。
何かの焼き菓子だろうか。
丸く焼いた生地に砂糖が塗してあって、何だか凄く美味しそうだ。
「.....」
なんて思っていたら、いつの間にか菓子に手が伸びていた。
食べ物の誘惑というのは、恐ろしい程に強い。
サクッ。
そして食べてしまった。
堪らず、食べてしまった。
「あー!ジルじいちゃんが何か食べてるー!」
「.....!?」
思わず手が伸び、つまみ食いしてしまったその現場を
ばっちり見ていた子供たちが、ジルを指差し叫ぶ。
そして一斉に駆け寄ってきて、ジルの周りに群がった。
「ずるいよ、ジルじいちゃんだけなんて!」
「こ....これはのぉ、違うんだ───」
ジルは、ばっちり見られたつまみ食いを必死になって否定しようとする。
だが、それは全くの無駄らしく、もうジルの手にあったお菓子の袋は
子供たちの手の中にあった。
「それは....!」

