「あぁ、暴れるかもしれないから気を付けるんじゃぞ?」
「わーい!」
子供たちは、ジルのその言葉を聞くとほぼ同時に
一斉に馬へと群がる。
一斉に触られて、馬は少しだけ煩そうに体を震わせるが
それほど気にはならなかったらしく、暫くするとまた大人しくなった。
「.....で、ジルじいちゃん。
何でさっきからずっと同じ格好をしているの?」
馬を暫く撫でて、子供たちは満足したのか
馬からジルに視線を戻して、さっきからずっと馬に体を預けるように立っているジルを見て
疑問の言葉を向ける。
「あぁ....実は、さっきちょっと腰をな。
すまんが、お前たち中に行って誰か大人を連れてきてくれんかの?」
「.....?
う...うん、分かったよ!」
子供たちは、ジルの言葉に頭の上に疑問符を浮かべ
とりあえず返事をして、もう一度馬をひと撫ですると背を向けて
廃墟の中へと走っていった。
ジルは、その姿を馬に体を預けながら
ぎっくり腰で一歩も動けない体を擦りながら、馬を撫でてやる。
ヒヒーンッ....。
すると馬は、ジルに甘えるような声を出して顔を擦り寄せてくる。
どうしたものだろう。
どうやら、相当懐いてしまったらしい。

