それから水野こうきとは、関わっていない。


あらから裏庭の芝生は私の特等席になった。

誰もいない、静かなこの場所で1人でいる事が至福のひとときとなっている

あれ、今日は先約がいるみたい

人影と、人の声…

人の声…?

そこにいたのは乱れた女子生徒と…
水野こうき…

「ちょっ…ちょっと」

「あれ、吉田さん」

この状況で冷静な彼の姿に驚いてしまう
女子生徒は制服を直しながら走っていってしまった

「吉田さん、こういうの興味ある?」

「…ごめん、何と言っているのか…」

「だーかーらー、彼氏とかこういう友達とかさ」

「私は、興味ないわ。そういう、気持ちのないお付き合いとかしたくないから」

「まだまだ夢見る乙女ってわけか〜まぁ見た感じ男っ気もないし、色気もないし」

「失礼ね!!」

「彼氏できたことないでしょう?」

う゛っ…

「ほ〜ら、図星?」
「じゃあ、教えてあげようか?」

「何をよ」

「こーい」

「恋?」

「そう恋」

過去の恋を引きずる私にとって彼の誘いは正直魅力てきなものだった