「おっはよ~!!」
騒がしい声で目を覚ます。
「…ん、おはよ…」
「ご飯出来てるからね!早く来てね!」
「分かったよ…」
相変わらず朝から元気な人だ。
そう思いながらあくびをして布団から出た。
カーテンからは眩しすぎるくらいの朝日がもれている。
さっきの人は、高校3年生の小松愛さん。
訳あって、[麗桜]という全国No.1のレディースの総長をやっている愛さんの家で居候させてもらってる。
なんだかんだ言って、いつも私を気にかけてくれる優しい人だ。
騒がしいくらいうるさいけれど。
「着替えなきゃ…」
ちなみに私は高校2年の神野紗奈。
愛さんからは、麗桜に入らないかっていつも誘われるけど、族とかに興味あるわけじゃないし、一人が好きだから断っている。
一人でただただ喧嘩の毎日を過ごしていたら、いつの間にか[黒翼の堕天使]なんて変なあだ名がついちゃったけど。
そのあだ名のおかげで、本名を伏せられるから、まぁいいかなって思ってる。
喧嘩をしている理由は、私の過去にいろいろあったから。
愛さんはそれを分かった上で受け入れてくれたんだ。
その過去については、また今度。
膝下までの長いスカートの制服をきて、長い髪を三つ編みにし、黒ぶちのメガネをかけて愛さんの待つリビングへ向かった。