「そうだよ。」

俺と大志が莉々香から受け取ったものは、手紙とサインだった。

差出人を確認するために、裏を見た。

そこにかいてあった文字を見た瞬間、また涙が出そうになる。

でも、我慢だ。

“水瀬莉々菜”

裏の、右下の端に“水瀬莉々菜”と書いてあった。

それは、大志にも書いてあった。

「あのね、棚の中の引き出しにあったの。大志くんたちだけじゃなくて、お母さんやお父さん、私、奈々さん、花菜さん、藤岡先生、西山さんにも。」

手紙……か……。

お前は、優しいな。