ここにいる人、皆、私が病気だと知っていると思う。

だって、昨日、奈々なんか、私に体調のこと聞いたときに、悲しそうな顔していたから。

ただ、私は病気ってことと、私に出る症状しか分からない。

あとから、お父さんたちから聞くことになるだろう。

私はそう思っているから、無理に聞いたりはしない。

だって、大好きな人の悲しい顔なんか、……見たくないから。

「莉々菜ちゃん、大丈夫?」

西山さんが、聞いてきた。

大丈夫って何が?

体調のこと?

それとも、心?

「はい。大丈夫です。」