「はい。」

「ありがとう。行ってくる。」

お父さんたちは、藤岡先生のあとをついていき、病室を出た。

西山さんは、私たちと一緒にいる。

私の風邪、悪化したかな?

いや、そんな嘘はやめよう。

もう、私は病気なんだから。

だって、お母さんの反応で、ただの風邪
じゃないことだって分かるもん。

それに、藤岡先生だって、……言いづらそうにしていたし。

私は、だいたい分かっていた。

ただ、私が病気なんて……信じたくなかったから、嘘をついていた。

ずっと、健康に生きていたのに、突然病気なんて、信じたくないでしょ?

だから、嘘をついていたの。