宙に込めた想い

「大輝が、珍しく遅かったから私が迎えに来たの。」

大輝が、遅いのは、ほんとうに珍しい。

私が、遅いのは、よくあることだけどね。

「あー、それはー……。まぁ、莉々菜、時計見てみ?」

なんで、と思いながら大輝の玄関にある時計を見た。

「ん?あれっー!?私、時間、間違えたのー!?」

私の部屋の時計、止まってたのかな?

私も、一瞬思ったんだよ。

大輝は、遅いことなんてめったにないのに、今日は遅かったからさ。

「そうみたいだな。面白いな。」