気づけば、蒸し暑く体が重かった。


目が開けづらい…


口にチューブ刺さってる?


「オェ…ゲホッゲホッ…」


近くにいる人が、抜いてくれた。


ん…あれ…私病院にいるの?


「柚姫…聞こえる…?」


翔…?


「聞こえたら手ギュッと握って?」


できるだけ手に力を入れる。


「柚姫?聞こえるのか?!」


口角をちょっと上げた。


「おかえり、やっと帰ってくれたね」


なんか前がぼんやりとしか見えないけど、私死にかけてたのかな…?


「かけ…る……」


「どうした?」


「のど…カラカラ…」


声が出にくいってか、息しづらい…


「わかった、水持ってくるね、あと、ちょっと苦しい?」


コクリと頷く。


コップに水を少し持ってきてくれたあと、鼻にチューブを入れられた。


「だいぶ息しづらそうだからちょっと強めに酸素入れるから、何かあったら言えな?」


「ありがと…だいぶ楽…」


「よかった、ちょっといっぱい話したいことあるけど、お母様とお兄さんに連絡入れてくるね」


「うん…心配掛けて…迷惑…掛けてごめん…ね?」


「ほんとだよ~、ねぼすけさん」


おでこにでこピンされて、翔は向こうへ行った。