彼はすぐに来た
「用件は何でしょうか」
いつもと話し方の違う彼に少しだけ戸惑いを感じながらも、彼に名刺サイズの真っ白な紙を渡す
それを受け取る
すると、先ほどと同じようにすぐに店の奥に戻ろうとした
「まって、」
「なんでしょうか」
気持ち悪い作り笑顔の裏にはめんどくさいという文字がにじみ出てきそうだ
「どうして、この仕事をしているの?」
彼の肩がピクリとはねる
「あなたの居場所はここではないでしょ?」
「あんた、だれだよ」
いつもの彼とも、さっきまでの彼ともちがう。
たぶんこれが本当の彼。
そんな彼の腕を引き、耳元に顔を近づける