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Alice side
外はネオンで輝くわけでもなく、闇の空気を漂わせてはいたが
中は意外にも普通のバー
私はすぐ近くのバーカウンターの椅子に腰掛ける
「……何に致しますか」
およそ25.6の青年が私に問いかける
ワックスできれいにまとめられた黒い髪が目を引く
「…………」
私はそんな青年に何も答えない
すると、店の奥から新しく人が出てくる
血色の髪がゆらりと揺れる
彼の仕事ぶりはただのバイトではないことを語っていた
酒を客に出すと、その客から1枚の白い紙を受け取る
名刺サイズの白い紙を胸ポケットにしまう
それが終われば彼はまた店の奥に消えてしまった

