ハルside–––––––

夢の国で楽しく踊っていると、

横の方から男の人が私の名前を大声で呼んだ。


その声で一気に現実に引き戻された私は、不機嫌そうにうなり、声の主の方を見上げる。



––––––––ゲッ!!!



「す、鈴木せん–––––「寝るな」

「…すみません」


もー。なんなのよーー!!

初日から怒んなくてもいーじゃん。

こんなつまらない時間、眠たくなるのも当たり前じゃない。


「ずっきー」

「え?」


唐突に発せられたその一言に、クラス全員が黙り込む。


「ずっきーはどうですか?鈴木、だから。」


結芽か…。


「おぉーーーっ!!!」


少しの間のあと、拍手と歓声がわき起こった。


反応がオーバーすぎる。


「先生、いいですか?」

「んー、まぁいいか(笑)」

「やった♪」


先生も嬉しそ–––––ん?

なんか、一瞬…ほんの一瞬だけど、先生の笑顔がぎこちなかった気がした。


「………(気のせいか)」