あたしの愛した貴方


涙が出そうになる。
でも、泣いたら爽良君と電話出来ない。

だから、泣かない。泣けない。
爽良君には元気なあたしの声を聞いて欲しいから。

「大丈夫…大丈夫…」

あたしは強い。強い。そう言い聞かせる。
でも本当は辛い。

携帯を握り締めて爽良君のmailを待つ。
きっと、爽良君は連絡をくれる。


お願い…爽良君。
連絡寄越して…。

【ごめん!今帰ってきた、遅くなっちゃったな。起きてるか?】

あたしの願いが届いたのか爽良君からmailが来た。

【起きてるよ!お帰りなさい、爽良君】

送信。