「お巡りさん、あんたは分かったんやろ。あんたが解けたんならええ。」



偽りの逃避行をしたって、見付け出してくれたから。


解読して、叡執から助けに来てくれたから。



殊犂なら解けるって信じていたから。



「アホなお巡りさんは、まだうちのこと信じてくれたちゅーわけやな。」


「アホは余計だ。」



USBとは違いモールス信号のように自分宛だったことが嬉しかった。


否定がアホだけになったのも致し方ない。



「ほんでまた、あんたの部下は上手いこと使おたようやしな。」


「ああ、データが細かく正確で使いやすかったと言っていた。」



廓念会は事実上解散、裏にいた政治家までも追い込めたのは。



ずっと待ってたからかもしれない。




このデータを使える人物を。


正しく使ってくれる人物を。



迎えに来て欲しかった殊犂を。



「………それと。キス、ごめんやで。あん時はそれしか思いつかんかったんや。」


「……いや、そんなことは構わない。それより今どこに住んでるんだ?無いなら俺の家使え。」



「彼女に悪いわー」


「…バカにしているのか?居ないことは分かってるだろう。」