「ええとこやろ。」



殊犂が蜜穿の行方を探している頃、蜜穿は叡執に連れ出されとある廃工場に来ていた。


抵当に入った工場を叡執が買い取ったようだ。


ここのところ出掛けていたのはその手続きだったらしい。



叡執が帰宅する前に蜜穿が全てを済ませていたので殊犂とのこともバレず、工場が手に入ったのも相まって叡執はご機嫌だ。



「お前を行かせたおかげで、関東の傾向もデータ取れたさかいな。こっから世界中を牛耳ろうやないか。」


「どういう……」



「分からんか?施設におるガキ共を何人かピックアップして、第二のハニービーを量産や。お前が指導するんやから、ええのが出来上がるで。」



叡執曰く、ここにクラッカー育成所を設立し、蜜穿の技術を継承させ裏の世界へとプロパカンダを発信するのが目的のようだ。



魅園も裏社会に魅力ある園にするという願いを込めたと前に聞いたことがある。


ただ、コラージュのように作り上げられたハニービーがそう易々と出来るものなのか。



「ちょー待ってください。子供らにはさせられへん……。うちで十分やないですか?今で足りひんねんやったら」


「俺に歯向かう気かっ!!!」