「あ~これが終わったらちょっとは落ち着きますかね?連絡疎かにしたら彼女怒っちゃって……なだめんの大変やったんですよ。」


「彼女いたのか。」



「いますよ。……って、ゆうたやないですか、この間の合コンで知りおうた人です。」



得意気に写メを見せられたが、失礼ながら蜜穿には劣るなと殊犂は思った。



「(……って、何故俺は飴魏蜜穿を思い浮かべてるんだ!)」


「……………。」



比較対象が蜜穿だったことに動揺する殊犂を、面白そうに掎蹟は見る。



「藹革さん、何か変わりましたよね。」


「は?」



殊犂自身にそんな気は無く、もちろん思い当たる節も無く、掎蹟の言った意味が分からない。



「あ、変な意味やありませんよ。いや……、前は知りませんけど、なんや表情豊かゆーんか、人間味が増したちゅーんか。とにかく、ええ風にですよ。」



取り繕うように否定する掎蹟に、誉められているのか貶されているのか、やはり殊犂は分からない。



「なんかええことでもあったんとちゃいますの?射唐栲袴の件らへんからやろか……。牟齧さんが逮捕されて面倒事増えたはずやのにって、皆不思議そうにゆうてましたから。」