クラッカーにはご用心

「皆やってんやん。先にそいつらに言ったらええやんけ。」


「確かに他もそうやけどな。反対に言えばそう思われとるんは君も同じやで。」



路地裏でタバコを吸っていた未成年を注意する警察官―――剥嚔石掎蹟(ムテイシ キセキ)は殊犂の部下である。



「言い訳屁理屈、大歓迎や。君らが理解して納得してくれるまで、何度でも説明すんで。それが君らに世を託す前の俺達大人の責任やからな。」



地道な作業も大切なことだ。


警察官を他を全て制圧する強い支配者と勘違いする輩がいるが、それは違う。


自分などまだまだでそれでも警察官としての威厳を保ってられるのは、補ってくれる仲間がいるからだ。



「親は子供に苦労させたない言いますけど、苦労はした方がええですよね。子供が苦労しとる時に支えたり見守ったり出来るそんな親に自分はなりたいです。」



「突発的にバカなことを言ってないで警ら続けろ。」


「はい!」



何事にも偏見を持たずに接せられる掎蹟が羨ましい。


昔は自分もあんな感じで輝いていたのかもしれない。


懐かしさを覚えてしまっては、あの頃に見えていた景色、今では見えなくなってしまったのだろうか?