「それと僕やひなは、心配せんでも大丈夫やよ。対策考えとるから。」



「はひしゃく?(対策?)」


「口にものを入れて喋んなや……」



女子の欠片も無い柿蒲に、涓畤壟は幻滅だ。


元より期待していないが。



「オレオレ詐欺には、うちには息子はいてませんって。うちらには息子どころか子供もおらんけどね。」



「あげます詐欺には、受け取るにはなんや先にお金払うんやろ?やから、受け取るお金から差し引いて構わんって、ゆうたらええやんってな。」



「かしこ~よう考えたなぁ~」



柔和な見かけによらずしっかりした考えの2人に、涓畤壟は感心する。



「お客さんの会話聞いて思いついたんやんな~」


「な~」



微笑み合う2人だが、言っていることはえげつない。



「あ、詐欺には関係あれへんのやけど、けんしろー君はもしも願いが1つだけ叶うなら何を願う?」


「え~1つだけやろ~むずいなぁ~」



腕を組み真剣に悩む涓畤壟だが、そんなに重要なことでもない気がするのは気のせいだろうか。



「簡単やよ。叶えられる願いを無限大にしてってゆうたらええんよ。」


「あ~~!な~る~ほ~ど~!」