その日は、いつも通り夕飯の買い物をしてから帰った。

見慣れた帰り道、風景、漂うご飯のおいしいにおい。


今日は晴れてたからか、昨日より少し肌寒かった。



古いけどどこか趣のある、白い木調の可愛いアパートが
私たちの家。

ドアは小さな半円の窓がついていて乙女チックなデザイン。

私が「ここがいい!」っておねだりしてここに決めたんだっけ。


懐かしくて、いい思い出だなぁ…



開けると、いつもとは違う。そんな胸騒ぎが起こった気がした。

お父さんの靴がある。


どうして…?いつもより二時間は早い。


「お父さん?帰ってるの?」


「ああ…華月、おかえり」


「どうしたの、こんなに早く帰って…き…て……」




リビングのドアを開けると、

私が一番会いたくなかった女が座っていた。